会について

ピナクル山の会は、年寄りも少しはいますが、(たぶん)あまり怖いこともなく、口うるさくもありません。 ですから、適当な遊びとゆるさをもって登山を楽しめます。 でも、活動を通じて経験を積んでゆくと、自然に、より高い目標に向かってトレーニングを続けていこうとをという気になる会です。

■伝統にとらわれず、自由に積極的に

■登山技術・知識を共有し、次の世代に継承する

■登山および会活動を通じて、会員の身体的、精神的健康を促進する

これが、現在のピナクル山の会の運営方針であり、特徴でもあります。

会風

多様な登山指向を許容し、支援しています。

現在、山を志す人々の指向は多様化しています。

世界を舞台に、ヒマラヤを代表とした高所登山、各地のトレッキング、極地・未開の地への探検。 国内でも日本アルプスを代表とするアルパイン、長大な縦走、沢登り、ハイキング、藪漕ぎを厭わない道なきコースの踏破。 フリークライミングでも、ボルダリング、リード、アイスなど。

取り組み方も数か月に1度だけ山に入る人から、ウィークデイにトレーニングを積み、週末の本番に備える人まで。 GPSなどのハイテク装備、機能満載ウエアやザックを駆使する人。 逆に装備を極限まで絞り、己の肉体と知恵を鍛え上げ、五感を研ぎ澄ませて山に挑む人。 山で心の疲れを癒す人から、山をチャレンジの対象としている人まで。

ピナクル山の会は、旧来の登山の枠組みにとらわれず、これらの様々な指向、新しい楽しみ方を、できる限り尊重し、許容していこうとしています。

実際に登山することと、準備し、記録し、情報を交換することを活動の柱としています。

会での活動は以下によって構成されます。

①登山を計画すること

②山に登ること

③登山の記録を残すこと

④自分の持つ情報を他の会員に伝え、他の会員の持つ情報をまた学ぶこと

登山技術を高めること

⑥会員相互の親睦を深めること

山に登ることが一番の活動ですが、それ以外にトレーニングをしたり、情報を集め、計画し、記録を皆で共有することも重要な活動と考えています。 そのため、インターネットを通じた情報交換を行い、会報を発行し、例会を月1回開催し、トレーニングや技術講習なども年数回行っています。

これらの活動は、個人での登山活動では得られないものであり、より高い次元の登山が可能になります。

山岳会としての社会的責任を果たしています。

山岳会は趣味の団体であると同時に、登山技術の向上・普及山岳事故の予防自然保護登山者のモラルの向上救助活動など、社会的な要請に応えることも必要です。

事故予防のため、基本的な登山技術の習得を会員に求め、年数回、基礎技術訓練を行っています。 また、目標追求に熱心なあまりに危険に鈍感にならないよう、登山計画書を提出する必要があります。 そして、会員相互の情報交換、親睦のため、月1回の例会の出席、その他の平地での活動への参加も求めています。

会の集団としての力を維持するために、入会に年齢制限をしています。

われわれピナクル山の会では、集団として登山文化・技術の継承を継続的に行うために、入会に年齢制限を行っています。 他の山岳会に比べて若年層の割合が高く、より高度な登山を指向する集団組織を維持しています。

活動内容

ハイキング

一般的にハイキングとは、軽装で楽しみながら歩くことを指します。 ピナクル山の会では、日帰りで縦走ほど長距離ではない山行のことを指すことが多いようです。 行動時間も2~3時間程度の短いものから、6~7時間程度の少し長めのものまであり、様々なバリエーションの山行が企画されています。

参加者は福岡市内に集合して車で行くこともあれば、電車で現地集合の場合もあります。 少し遠い山の場合には前日夜に出発し、途中テントや車中で仮眠をとってから早朝から登山をすることもあります。

春は新緑や花、秋は紅葉、冬は雪など四季折々の魅力を感じながらハイキングを楽しむことができます。 また山好きな仲間とワイワイ歩いたり、下山後に温泉に立ち寄ったり、その土地の味覚を楽しんだりとお楽しみ要素もたくさんありますので、自分の体力や時間にあったものからどんどん参加してみましょう!

無雪期縦走、ピークハント

縦走とは、山から山へ、主に稜線を通って歩く山行です。 スカイラインを歩くので展望が楽しめ、また長く歩くので体力的にも充実したものとなります。

山域は日本アルプスや中国・四国地方、九州は祖母・傾山系、久住や屋久島などで、毎年の定番としてよく活動しています。

宿泊を伴う縦走では、一日山歩きを満喫したあと、みんなで楽しく食事をして、夜の星空を眺めるのも魅力です。 ピナクル山の会に見学に来られる方で、宿泊はしたことがないという方も多いですよ。 テント泊してみたいとか、久住や屋久島やアルプスに行きたいと思われる方、ぜひ一緒に始めてみませんか?

雪山

雪山の魅力はなんといっても、真っ白な雪景色と澄んだ空気。 今まで一人で山に登ってはいたけど、まずは近場の雪山にも行ってみたくなり、そして入会しようと思った方もいます。 ピナクル山の会では雪山に行く前に、例会での座学や雪山での実地講習会を通じて、装備や気象、医療など基本的なことを学習・体験していただいてます。

山域は日本アルプスや中国地方、九州は由布岳、久住などで、毎年の定番としてよく活動しています。 一部、装備の貸し出しもしていますので、ぜひ体験してみてください。

山スキー

九州で山スキー、というと不思議に思うかもしれませんが、数名のメンバーで”山スキー部”として活動を行っています。 活動エリアは広島県の恐羅漢山、比婆山周辺などです。 鳥取県の伯耆大山まで行くこともあります。 シーズンは短く、1~3月くらいですが、雪の多い年では4月まで楽しむことができます。 また個人的に北海道や海外の山スキーに行っているメンバーもいます。

ほとんどのメンバーは山スキー未経験のため、初めは登りも滑りも苦労していますが、山行を重ねて経験を積むことで楽しく雪山を駆けまわれるようになります。 この数年は日帰りの短いルートに行くことが多いですが、メンバー全体のレベルアップを図り、山中泊をしながらの長期山行にも行きたいと考えています。

アプローチが遠い、シーズンが短い、という九州ならではの大変さもありますが、苦労して登った後に滑る爽快感は何物にも代えがたいものがあり、もっといろんな方に山スキーの楽しさを知ってもらいたいと思っています。

沢登り

沢登りとは、川を遡る遊びである。

目的は釣り、焚き火、難しい滝の登攀や絶望的なゴルジュの突破等々求めるストイックさも楽しみも人それぞれである。 ただ、僕はどんな沢であれ、その川の最初の一滴に辿り着いたときには心震える感激を覚える。

沢には決まった道筋はなく、立ちはだかる困難に対する解決のアプローチも自由である。 だからこそ難しい面もあって、読図はもちろん、ルートファインディング能力や登攀能力、泳ぎ、山行経験などの総合的な力を身につけることが重要になる。 さらには、人類に対してものすごい波状攻撃を仕掛けてくるアブやブヨ、ヤブ蚊みたいな害虫も所々登場してきて、ひどい目に遭うことがよくある。

それでも、沢が楽しい。 他のジャンルと沢を決定的に隔てるものは開放感だと思う。 水と緑と岩とが織りなす造形は美しく、躍動感にあふれている。 また、川の流れと焚き火の炎は原始的な何かを刺激する。

そして、僕らは自由だ。 色んな発見、驚きが待っていて、くたくたになるまで、子供に返ったかのようにはしゃぎまわる。 病み付きになることは間違いない。

今からは沢の季節。 是非体験してみましょう。 想像を絶する不快感と、それを上回る楽しさが待っています。

フリークライミング(リード)

フリークライミングは、基本的に自分の手足のみを使い岩壁(人工壁)を登ります。 登る為の道具はクライミングシューズとスベリ止めの為のチョークのみです。 その他のロープやハーネス等の道具は万が一の為の安全確保にのみに使われます。

クライミングは腕力や握力よりもムーブと呼ばれる身のこなし方や身体のバランス、柔軟性を使って登ります。 ですので、男性よりも女性や子供の方が上手く登れるなんてこともよくあることです。

ピナクル山の会では、初心者からベテラン・へっぽこからハイレベルまで、老若男女問わずたくさんのクライマーが楽しく真剣に自分の課題に取り組んでいます。 クライミングが初めての方にも、会主催のクライミング講習会で道具の説明から安全確保クライミング技術まで、先輩方が懇切丁寧に教えています。

九州には魅力的な岩場がたくさんあります。自分の限界に挑戦し克服してゆく喜びがクライミングにはあります。 ぜひピナクルでクライミングにチャレンジしてみてはいかがですか。

ボルダリング

攀じ登る。 最もシンプルに、ただ攀じ登る。 汗止めのチョークにクライミングシューズのみ。 クライミングにおいて最もピュアで本質的なもの、それがボルダリングだ。 恐怖心を排除し、全ての神経を岩と自分だけに集中させる。

リードが長距離走なら、ボルダリングは短距離走と言える。 一瞬で持てる力全てを出し切る。 シビアなホールドに指先は血が滲み、前腕はパンパン、脚も痙攣するだろう。

だが、パワーとはクライミングの半分に過ぎない。 わずかな姿勢の違い、足の使い方で、指や手の負担は大きく変化する。 全身の使い方、「ムーブ」を駆使することで不可能を超える。 最適なムーブを解き明かし、絶妙にバランスし、墜落の恐怖を乗り越え岩を攀じ登る。

全力を出し尽くし、全神経の極度の緊張が解けたその瞬間、脳から溢れ出るドーパミンの洪水が全身を駆け巡る! もうこの麻薬なしに生きてはいけない!!

クラッククライミング

この楽しさは一般の方には全く想像もできないであろう。 痛さと恐怖に打ち勝ち登り切った後の充実感は、人生最高の体験となる。

クラッククライミングとは岩壁の割れ目(クラック)部分を登っていくことを指す。 登るために手や足をクラックに捻じ込んだり、場合によっては体全体をクラックに入れることもある。 岩の間に手や足を入れるのだから当然痛いもので、通常はテーピングを手や足に巻いて痛みを軽減する。

最近ブームとなっているフリークライミングのように、支点としてボルトが設置されている訳ではない。 ではどうやって安全を確保するのか? これにはカムやナッツなどナチュラルプロテクション(ナチュプロ)と呼ばれる道具を使う。 この道具を岩の割れ目に設置しながら登り進むのである。 ナチュプロを設置する場所もそれが安全かどうかも全て自分次第。

ナチュプロが信用できずに恐い思いもするだろう、登った後は体全体がボロボロで疲労困憊になるだろう、だが、それだけに達成感も大きく、自分を一歩前進させられる。 興味のある方は一度体験してみてはいかが?

マルチピッチクライミング

宮崎県の北西部、高千穂の町から細い車道をたどったその奥に「鉾岳」という山があります。 百名山のように多くの人に興味を持たれるでもなく、静かに佇むように。

その山を小さな流れに沿って40分ほども歩いたころに、その圧倒的な岩壁が目に飛び込んできます。 見上げる視界をふさぐほどの、白亜の巨大な一枚岩。 樹林帯から一転するその風景は、すぐには遠近感が整わないほどの広がり。 特徴ある丸みを帯びた岩が山頂にすわり、わずかにのぞく青い空に届きそうだ。

よく見ると取り付くクライマーが小さい点のようで、でもそれは、それぞれの技術と精神を振り絞る登攀で、この大岩壁を登り切ろうと小さな一歩を繰り返している。 クライミングを始めたころの、強く残る記憶です。

マルチピッチクライミングは、「お手軽な」「流行の」という言葉の対極にあるかもしれません。 しっかりした技術、知識、そしてメンタルを積み重ねた人のみがチャレンジできるものです。 ただそれは、決して特別なものではなく、誰でもが段階を踏んで身につけることができるものでもあります。 一歩一歩、高みに向けて登り続けていくと、いつの間にか足元に広がる高度感溢れる風景。 自分でこの岩を登ってきたんだ、と強く思える瞬間です。

九州には、先人たちが大きな労力をはらって開拓してくれた素晴らしい岩場があります。 ぜひチャレンジしてみませんか?